カネミ油症の被害者団体と国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による3者協議が13日、福岡市内であった。油症認定の可否を判断する診定委員会委員との意見交換を被害者側が求めたのに対し、厚生労働省側は環境が整い次第、場の設定を検討する意向を示した。実現すれば未認定患者や被害者の子、孫ら次世代の実態を伝え、認定数の増など救済につなげたい考えだ。
医師らで構成する診定委員会は、長崎、福岡両県と全国油症治療研究班(事務局・九州大)の下にある。被害者団体によると、直接やりとりする機会はこれまでなかった。厚労省の担当者は「(意見交換は)どのような趣旨か明確にしてほしい」としており、被害者団体は「具体的な内容や目的を整理したい」と述べた。
3者協議では、「同居家族認定」のうち、当時の子どもたちについて救済対象を厳しく制限している点も問題になった。1968年10月の油症事件発覚当時に油症患者と同居していた家族を患者とみなす同認定。子どもの救済対象は68年12月末までに生まれた人と限定している。被害者側は「翌69年以降に汚染油を食べたという話もある」と指摘。汚染油の流通がいつ止まったのかを示す文書の存在について問い、厚労省側は確認するとした。
カネミ油症問題 被害者団体と国、原因企業による3者協議 診定委と意見交換検討へ
2024/01/14 [10:13] 公開