長崎市大浦地区で、ボランティアらがお年寄りの健康維持や居場所づくりに取り組んでいる高齢者サロン「サン賛サロン」が、厚生労働省など主催の「第12回健康寿命をのばそう!アワード」の介護予防・高齢者生活支援分野で優良賞に選ばれた。深堀ひとみ代表(63)ら関係者が27日、同市役所に鈴木史朗市長を表敬訪問した。
同サロンは2013年創設。斜面地に住宅が密集する同地区は住民の高齢化率が当時3割を超えており、民生委員を務める深堀代表が市側の要請で開設を計画。地元医療機関が理学療法士派遣で、大浦保育園(同市東山町)が会場提供でそれぞれ無償協力し、スタートした。
深堀代表らボランティア数人が運営に当たり、当初は月1回、現在は週1回、約2時間開催。軽運動やゲーム、レクリエーションなどを指導している。新型コロナ禍による休止期間も、自主訓練の呼びかけや個別連絡による状況把握に努めて体力維持に効果を挙げてきた。現在は60~90代の約70人が登録している。
26日は同保育園でクリスマス会があり、高齢者約50人が同保育園に併設されている「オランダ坂児童クラブ」の児童約50人と交流。手足の運動やじゃんけんを使ったゲームなどを通して触れ合った。最高齢の参加者で同市大浦町の髙月麗子さん(94)は「いろんな人と交わり、子ども心に帰って楽しかった。ずっと通い続けたい」と笑顔。
深堀代表は取材に「まさか(賞を)もらえるとは思わず驚いたが、10年間一生懸命頑張ってきてよかった」と話した。
同アワードは生活習慣病予防分野と介護予防・高齢者生活支援分野で優れた取り組みを行う企業、団体、自治体を表彰。同分野では今回、最優秀賞1件、優秀賞3件、優良賞12件が選ばれた。