第9回全日本実業団対抗女子駅伝予選会「プリンセス駅伝」は22日、福岡県宗像市の宗像ユリックス発着コース(6区間42.195キロ)で行われ、岩谷産業が2時間18分46秒で初優勝した。長崎県勢は十八親和銀行が2時間24分2秒で21位、メモリードは2時間26分39秒で27位に終わり、いずれも全日本切符獲得はならなかった。
16枠の全日本実業団対抗女子駅伝「クイーンズ駅伝」(11月26日・宮城)出場権を懸けて、31チームが競った。25位のワコールは15日に行われたパリ五輪日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場者がいたため、特例で予選通過となった。
岩谷産業は1区川村が2位でスタートすると、3区若井で首位に浮上。4区終了時点で2位ルートインホテルズに2秒差まで迫られたものの、5区中野の区間賞で再び差を広げた。
十八親和銀行は1区北原がスタート後に転倒。以降は徐々に順位を上げたが、昨年の17位を上回れなかった。メモリードも1区の30位発進から、3区永友が二つ順位を上げ、6区大久保も1人を抜いたが、全日本切符獲得ラインに絡めなかった
◎1区の転倒 取り戻せず 十八親和銀
10秒差で全日本切符を逃してから1年。十八親和銀行にまたも試練が待っていた。1区北原がレース中に転倒。そのまま上位に浮上できなかった。「力がついたからといって予選を通るものではない。これも勉強」。就任7年目の吉井監督は自らを納得させるように言葉をつないだ。
号砲から1キロにも満たない地点でアクシデントが起きた。集団の中でもみ合いとなり、バランスを崩した北原が転倒。再び走り始めたが、昨年の自身のタイムから1分も遅いたすきリレーとなった。
転倒を知ったアンカー安部は、選手間のLINE(ライン)に「落ち着こう。一人ずつ」と打ち込んで諦めない姿勢を共有。5区明石は区間15位、安部は序盤から速いペースで押して区間5位で走り抜いたが、出遅れを取り戻すことはできなかった。
2016年を最後に全日本から遠ざかっている十八親和銀行。昨年17位で復活の兆しを見せ、さらに諫早高卒のルーキー藤丸も加わり、クイーンズ駅伝復帰が現実的な目標となった。主将の光恒は3月に初マラソンを走り、三宅、安部、明石らもトラックシーズンに好記録を残すなど着実に底上げは進んでいる。安部は「いろんなパターンを想定して、悪くても全国に行けるようにならなければ」と再起を誓った。