長崎県長崎市坂本1丁目の長崎大坂本キャンパスに完成した感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」について、付近住民が加藤勝信厚生労働相にBSL4施設としての指定差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が11日、長崎地裁(松永晋介裁判長)で開かれた。国側は「訴訟要件を満たしていない」などとして訴えの却下を求めた。
訴状によると、同施設を一種病原体(エボラウイルスなど)の所持施設として指定しないことと、長崎大を一種病原体の所持者に指定しないことを請求。同地裁前で開いた開廷前の集会で原告らは、同市内にある小江原断層が同施設の近くに迫っていることなど、現在の場所に整備することの危険性を訴えた。
同施設を巡っては付近住民らでつくる「BSL4施設計画の差し止めを求める会」(山田一俊代表)が、長崎大に基本構想中断と情報公開を求める二つの訴訟を起こし係争中。今回は山田代表ら住民2人が原告となった。山田代表は「自分たちの考えを伝えていく中で裁判長には理解してもらえると思う」と話した。
長崎大BSL4施設の指定差し止め 訴えの却下求め、国側は争う姿勢 長崎地裁で初弁論
2023/07/12 [11:30] 公開