太平洋戦争後、フィリピンの日本人収容所などで命を落とした戦没者が眠る長崎県佐世保市江上町の釜霊園で14日、追悼式があり、県内外から遺族ら約200人が参列して、平和を守る決意を新たにした。
佐世保釜墓地戦歿(せんぼつ)者護持会(宮内雪夫会長)と県、市でつくる実行委員会が主催し42回目。新型コロナウイルスの影響で3年間は規模を縮小していたが、4年ぶりに通常の開催となった。
釜霊園には、フィリピンで戦死し、1949年に引き揚げ船「ぼごた丸」で佐世保市の浦頭港に運ばれた軍人や、船内での死没者ら6500余柱が眠る。護持会は遺族を捜しており、これまでに581柱の身元が判明している。
海上自衛隊佐世保音楽隊が追悼演奏し黙とう。宮内会長は「私たちが享受している平和と繁栄は苦難の歴史の上に築かれている。戦争の惨禍を繰り返してはならないことを発信することは永久の責務」と追悼の言葉を述べた。
遺族を代表して祖父が戦没者の西村靖二さん(53)=福岡県八女市=が「戦没者の思いをしのび、平和を祈る日。追悼式を永続的に行っていただくことにお礼を申し上げる」と語り、参列者が供養塔に花を手向けた。
フィリピンでの戦没者追悼 佐世保・釜霊園 平和を守る決意新たに
2023/05/16 [11:00] 公開