長崎県佐世保市・北松浦郡区では、選挙区で最も若い38歳の湊亮太さんが初当選。初挑戦の新人だけに陣営の不安は大きかったが、選挙事務所に吉報が届くと集まった支援者は喜びを爆発させた。
昨年2月の知事選では、父の浩二郎市議とともに当時39歳だった大石賢吾氏の陣営に入り、全国最年少の現職知事が誕生する現場に立ち会った。
その後、知事の私設秘書となり、県政運営を最前線でサポート。同時に、生まれ育った佐世保市で人口減少や産業衰退が続く厳しい現状を目の当たりにした。「県北、佐世保を活性化させるため自分も力になりたい」。秘書を辞し、昨年12月に挑戦を発表した。
スタートが出遅れ、知名度不足の克服は容易ではなかった。それでも、ベテランの現職候補が地盤とするエリアへ果敢に入り込み、「世代交代」を訴えた。市中心部のアーケードを何度も練り歩き、若者からお年寄りまで一人一人と握手して支持を求めた。
街頭演説には大石氏も応援に駆け付け、「古里を思う気持ちは誰よりも強い。みなさんの手で押し上げて」と激励を受けた。応援の輪が日に日に広がっていく実感があった。
学生時代は長崎国際大で社会福祉を学んだ。同大卒業後、中国と米国の大学に進み語学力を磨いた。
米海軍基地がある佐世保市には多くの米国人が暮らし、長崎市には中国との歴史的な交流がある。「海外で培ったコミュニケーション力を古里のために生かしたい。長崎県の取り組みを世界に発信できる」。有権者に訴えてきた思いはさらに強くなった。
当選を決めた湊さんは「県とのつながりをしっかり使い、笑顔であふれる県北、佐世保にしたい」。歓喜の輪の中心で決意を新たにした。
長崎県議選 新人の湊さん当選 38歳の新風吹く 佐世保・北松
長崎新聞 2023/04/10 [10:45] 公開