十八親和銀行系シンクタンク長崎経済研究所(長崎市)が、3月で開業から半年を迎えた西九州新幹線(武雄温泉-長崎)をテーマに県民にアンケートを実施したところ、381人が回答し、利用回数は「0回」が約7割を占めた。開業前の意向調査では、7割以上が利用に前向きだったが、「機会がない」と答えた人が多く、浸透は途上。開業効果への評価も分かれている。
県内在住18歳以上をモニターとするウェブアンケートサイト「リサチャン」で3月上旬に実施。
利用したことがある3割のうち、「1~2回」が19.9%、「3~4回」が6.3%、「10回以上」は2.4%、「5~9回」が1.8%だった。利用したことがない7割に、複数回答で理由を聞くと「機会がない」が最多の8割以上を占めた。開業前の2022年8月に、同じ手法で実施したアンケート(回答数414)では「ぜひ利用したい」が17.4%、「機会があれば利用したい」が59.2%だった。このことから、同研究所は「『機会があれば利用したい』層で、あまり利用が進んでいないようだ」とみている。
開業効果について聞くと「感じている」「多少感じている」の計45.7%と、「感じていない」「あまり感じていない」の計46.2%がほぼ同数。具体的な開業効果の内容について複数回答で聞くと「テレビや雑誌で県や新幹線の特集が増えた」とする人が44.1%で、開業によるメディア露出増加を実感する人が最も多かった。
自由記述のコメントでは、新幹線の速達性や快適性に一定の評価がある一方で、博多と直通しない「リレー方式」への不満も見られた。また同研究所は「沿線から離れると効果への温度差があるようだ」と指摘。沿線以外への波及も今後の課題となりそうだ。
西九州新幹線「利用0回」が7割 長崎県民アンケート 開業から半年、浸透途上
2023/04/08 [11:30] 公開