平戸市民病院の薬剤師で同市の学校薬剤師を務める近藤司さん(41)が監修した「ひらど薬物乱用防止カルタ」が完成した。読み札、絵札とも市内の小中学生の協力で作成した。同病院は薬物乱用などの危険性を広く知ってもらおうと70セット製作し、市内の小中高校や各まちづくり運営協議会などに配布している。
近藤さんは2013年から学校薬剤師として担当する小中学校6校と依頼を受けた学校で、薬物乱用防止講話を担当。年に1回、違法ドラッグや過度の飲酒・喫煙が、心身に悪影響を及ぼすことを訴えている。
講話の内容を子どもたちにより深く理解してもらおうと、講話実施校に標語づくりを依頼。届いた標語を選抜し、選んだ標語を絵にしてもらおうと市内全小中学校に協力を求めた。その際、「この取り組みでかるたができる」と思い付いた。相談した押淵徹前院長(現名誉院長)らが後押ししたという。
市立津吉小(田代町、田川定司校長)からは標語(読み札)1点、絵札3点が選ばれた。「『れ』冷静に 断れ誘いの 酒タバコ」の絵が採用された吉永希愛さん(12)は「違法薬物は一度でも使ったら駄目ということを学んだ」。「『め』目をとじて いいかダメかを 考えよう」の絵を描いた藤川蓮さん(12)は「標語から絵がイメージできて、思った通りに描けたと思う。お酒の飲み方には注意してほしい」と話した。
近藤さんは新年度、学校やまちづくり運営協議会と連携し、子どもたちと住民が参加するかるた大会の開催を計画。「地域全体が同じようにリスクを理解し、薬物乱用を防止する機運を高めたい」と意気込んでいる。
「ひらど薬物乱用防止カルタ」完成 薬剤師・近藤さん監修 読み札や絵札 小中学生が協力
長崎新聞 2023/03/17 [11:07] 公開