「斜面地を元気に」空き家再生 デザイン性高め、DIYでリノベ 長崎の宅地建物取引士

2024/11/04 [12:06] 公開

友重さんが、モロッコの地中海沿岸のリゾート地をイメージしてリノベした木造平屋=時津町元村郷

友重さんが、モロッコの地中海沿岸のリゾート地をイメージしてリノベした木造平屋=時津町元村郷

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長崎市の宅地建物取引士、友重太朗さん(49)が同市と近郊の斜面地で築50年前後の古い木造家屋を買い取り、DIY(日曜大工)でリノベーション(改修)して貸し出す事業に取り組んでいる。「空き家を再生して若い世代に住んでもらい、地域の活性化に少しでも力になれれば」と意気込む。

 市内の不動産会社に勤めていた2016年ごろ、買い手が付かずに持ち主が困っていた物件を購入したのがきっかけ。仕事を通じて斜面地で空き家が増える現状に触れ「解体して新築するのではなく、おしゃれにリノベし、再利用できないか」と考えた。
 22年に独立して事業化。梁(はり)の取り換えや電気配線などは専門業者に依頼する一方、床や壁の改修はDIYでコストを削減。フランスのアンティーク風などそれぞれコンセプトを決め、デザイン性を高めている。一軒家は家賃月3~8万円台。貸家と貸しアパート合わせ約30世帯分が満室となっている。
 同市銭座町の築約65年の木造2階建ては、ふすまを取り外して押し入れをれんが調にするなど米ニューヨークの「ブルックリンスタイル」風に仕上げた。自宅兼鍼灸(しんきゅう)サロンとして借りている檮木(ゆすき)華南さん(26)は「路面電車沿線で物件を探していた。木造の温かみもありつつ、おしゃれ」と満足そう。元持ち主の女性(79)も「家が残るのはうれしい」と話す。
 現在手がける西彼時津町の築約50年の木造平屋は、壁を赤土風に仕上げるなどモロッコの地中海沿岸のリゾート地をイメージ。年内を目標に、ペットと泊まれるゲストハウスとして開業する準備を進めている。友重さんは「新たな試み。少しでも斜面地を元気にできたら」と語る。問い合わせは友重さんのインスタグラム「ル・オージ」から。