長崎大が稼働を目指す感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」が24日、厚生労働相の施設指定を受けた。最も危険な病原体を研究目的で扱える国内初の施設。施設を運営する同大高度感染症研究センターの森内浩幸センター長(64)に今後の取り組みなどを聞いた。
-施設指定の受け止めを。
大きなステップを一つ踏んだが、これで終わりではない。(本格稼働に向けた)4段階のうち3段階目に入る。最終的にBSL4実験室で1種病原体を扱うには、所持について厚労相の指定または承認が別途必要になる。施設指定後は国の監督下に入るが、次の課題にしっかりと向き合いたい。
-3段階目で取り組むことは。
実験室内で気密性の高い陽圧防護服を着用し、人への病原性がほぼないようなBSL2レベルのウイルスを使い、1種を扱うのと同様の訓練をしていく。例えば南米出血熱の病原体フニンウイルスは1種だが、人に無害なワクチン株はBSL2レベル。ウイルスの性質が1種と非常に近いものを扱うことで、細胞内での増殖の仕組みなどを調べることができる。
-所持の手続きは海外からの輸入にかかる指定と、国内の譲り受けにかかる承認に分かれるが。
1種病原体は特にそうだが、国境を越えて病原体や検体を移すことが非常に難しい時代になっている。まずは病原体を既に所持している国立感染症研究所に相談していければと考えている。ただ同研究所の前例を考えると、(厚労相の指定、承認は)数年単位で見ないといけない。
-安全管理について。
実験室の立ち入りや病原体の扱いに関するルールを定めた安全管理規則を昨年5月に施行した。そうした書類を厚労省に提出して審査を経て施設指定を受けており、安全性にも十分に対応しているとお墨付きをもらったと受け止めている。これから実際に病原性の低い生きたウイルスを扱って、細胞の中で増やしたり、動物に感染させてどうなるか観察したり、ステップアップした内容になる。これまでの想定から『ここはもう少し補強した方がいい』などしっかり確認していく。
-安全性に対する住民の不安にどう対応するか。
上から目線で安全だといくら言っても住民の安心を得られるわけではない。不安な気持ちをしっかりと受け止め、できる限り分かりやすく丁寧に説明していきたい。住民の代表が委員に入る地域連絡協議会をコアにしながら、さらに住民への説明を続けていきたい。
-あらためて施設の意義を。
多くの新興感染症は人獣共通感染症だが、自然の開発が進む中で野生動物から家畜や人への感染は避けて通れない。常に想定外のことが起こると考え、準備しておかないといけない。長崎大ではワクチンや抗ウイルス薬の開発に取り組んでいるが、実験ができる施設は創薬に必ず必要。国も国内でワクチン開発の体制づくりを進めているが、国民の健康を守る上で非常に大きい。
-施設指定の受け止めを。
大きなステップを一つ踏んだが、これで終わりではない。(本格稼働に向けた)4段階のうち3段階目に入る。最終的にBSL4実験室で1種病原体を扱うには、所持について厚労相の指定または承認が別途必要になる。施設指定後は国の監督下に入るが、次の課題にしっかりと向き合いたい。
-3段階目で取り組むことは。
実験室内で気密性の高い陽圧防護服を着用し、人への病原性がほぼないようなBSL2レベルのウイルスを使い、1種を扱うのと同様の訓練をしていく。例えば南米出血熱の病原体フニンウイルスは1種だが、人に無害なワクチン株はBSL2レベル。ウイルスの性質が1種と非常に近いものを扱うことで、細胞内での増殖の仕組みなどを調べることができる。
-所持の手続きは海外からの輸入にかかる指定と、国内の譲り受けにかかる承認に分かれるが。
1種病原体は特にそうだが、国境を越えて病原体や検体を移すことが非常に難しい時代になっている。まずは病原体を既に所持している国立感染症研究所に相談していければと考えている。ただ同研究所の前例を考えると、(厚労相の指定、承認は)数年単位で見ないといけない。
-安全管理について。
実験室の立ち入りや病原体の扱いに関するルールを定めた安全管理規則を昨年5月に施行した。そうした書類を厚労省に提出して審査を経て施設指定を受けており、安全性にも十分に対応しているとお墨付きをもらったと受け止めている。これから実際に病原性の低い生きたウイルスを扱って、細胞の中で増やしたり、動物に感染させてどうなるか観察したり、ステップアップした内容になる。これまでの想定から『ここはもう少し補強した方がいい』などしっかり確認していく。
-安全性に対する住民の不安にどう対応するか。
上から目線で安全だといくら言っても住民の安心を得られるわけではない。不安な気持ちをしっかりと受け止め、できる限り分かりやすく丁寧に説明していきたい。住民の代表が委員に入る地域連絡協議会をコアにしながら、さらに住民への説明を続けていきたい。
-あらためて施設の意義を。
多くの新興感染症は人獣共通感染症だが、自然の開発が進む中で野生動物から家畜や人への感染は避けて通れない。常に想定外のことが起こると考え、準備しておかないといけない。長崎大ではワクチンや抗ウイルス薬の開発に取り組んでいるが、実験ができる施設は創薬に必ず必要。国も国内でワクチン開発の体制づくりを進めているが、国民の健康を守る上で非常に大きい。