鄭成功生誕祭にぎやかに 関係者500人が遺徳しのぶ 長崎・平戸

2024/07/16 [11:16] 公開

優雅な演舞を披露する南安市文化館芸術団=平戸文化センター

優雅な演舞を披露する南安市文化館芸術団=平戸文化センター

大きい写真を見る
長崎県の平戸生まれの中国・明朝の遺臣、鄭成功(1624~62年)の生誕400年祭(実行委主催)が14日、同市岩の上町の平戸文化センターで開かれ、国内や台湾台南市、中国福建省南安市などから訪れた関係者計約500人が遺徳をしのんだ。
 鄭成功は平戸市川内町で南安市出身の父と日本人の母の間に生まれ、7歳で福建省に渡った。明が衰退し清が台頭した動乱期に「抗清復明」を掲げて清と戦った後、61年にオランダの支配下にあった台湾を解放した。
 生誕祭は平戸市を中心に展開する400周年記念事業のメインイベント。生誕地が含まれる中野地区の子どもたちが鄭成功やその家族に扮(ふん)して登場し、中国語で歓迎の言葉を述べオープニングを飾った。神事では鄭成功像が置かれた祭壇に祝詞を上げ、関係者約40人が玉串をささげた。
 あいさつで黒田成彦市長が「多くの方々に来ていただき深く感謝し心から歓迎する」。南安市委書記の張桂森(けいしん)氏が「鄭成功の持っていた愛国心が代々受け継がれていくことを望む」。台南市副市長の葉澤山(たくさん)氏が「生誕祭を機に私たちの友情が末永く続くよう願っている」と、それぞれ述べた。
 閉会後のアトラクションでは、南安市文化館芸術団が宮廷儀式の演舞「佾舞誥祭(イツブコウサイ)」を優雅な振り付けで披露。中野自安和楽(じゃんがら)保存会は国指定重要無形民俗文化財「平戸のジャンガラ」を勇壮に舞った。
 同日、川内町の鄭成功分霊廟(びょう)周辺では同事業の関連イベント「かまぼこフェスタ400」が開かれ、軽食販売など多彩な出店でにぎわった。