報酬付きで就業体験 諫早市旅館ホテル業組合 市内の私立3高校と調印

長崎新聞 2024/09/14 [09:39] 公開

調印を終えた本田組合長(左から3人目)ら=諫早市永昌東町、L&Lホテルセンリュウ

調印を終えた本田組合長(左から3人目)ら=諫早市永昌東町、L&Lホテルセンリュウ

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諫早市旅館ホテル業組合(本田一修組合長、15社21施設)は、長崎県諫早市内にある三つの私立高と連携し、報酬付き就業体験事業「のんのこインターンシップ」に取り組む。アルバイトを希望する生徒を会員施設で主に土日や夏休みなどに受け入れて就労の喜びを体験してもらい、業界が直面する人手不足解消や保護者の経済的負担減などにつなげる。来年4月の本格始動に向け3日、市内のホテルで組合と3校の調印式があった。
 3校は▽鎮西学院高▽長崎日大高▽創成館高。組合によると、若者の県外流出も背景に、市内業界は労働力不足の問題を抱えている。同事業では、学校や保護者の許可を受けた生徒で、組合の事前研修の受講者を対象とする。「アルコール提供や個室での単独接客業務はさせない」などの順守事項や、トラブル発生時の危機管理対応などを徹底させることで、生徒の安全を担保する。
 事業の効果として▽生徒の社会性習得▽学費など保護者の負担軽減▽学校外教育の推進▽業界の労働力不足の部分的解消-などを挙げており、一部の会員施設では既に試験的に運用。課題を洗い出し、組合として対応を検討するほか、統一的な報酬額を決めるなどして本格運用に備える。
 調印式では3校を代表して鎮西学院高の川﨑健校長があいさつ。「高校は社会に出て行く準備をする所。生徒たちにはいい機会になると考えている。ウィンウィンの関係になるように進めたい」と期待を込めた。
 本田組合長は取材に「生徒たちにはお客さんに喜んでもらえるうれしさを味わってもらい、ホテル・旅館業界は面白いんだなと感じてもらえたら」と話した。