【ソウル共同】韓国の尹錫悦前大統領は、憲法裁判所の罷免決定後も保守層の結集を図るような動きを見せている。韓国メディアによると、6月3日の次期大統領選出馬を表明した保守系与党「国民の力」の羅卿ウォン議員や与党幹部らと面会。罷免後も政治的影響力を誇示しようとする可能性が指摘されている。
一方で、罷免によって不訴追特権を失ったことで、内乱首謀罪以外の捜査が本格化する見通しだ。拘束令状執行を妨害した疑いで捜査している警察は14日、尹氏の事情聴取が必要との考えを明らかにした。検察は、過去の国政選挙を巡る政治ブローカーとの不正疑惑を調べている。
尹氏は大統領公邸を退去した11日、支持者から渡された「メーク・コリア・グレート・アゲイン(韓国を再び偉大に)」と書かれた赤い帽子をかぶった。トランプ米大統領の決めぜりふをもじったとみられ、支持者からは「尹アゲイン」の声が飛んだ。
韓国大統領は再選禁止で返り咲きはできないが、保守層の中には、戒厳令の正当性を訴える勢力が一定程度残っている。