低価格スーパー「トライアル」を全国展開するトライアルホールディングス(HD、福岡市)は5日、米投資ファンド傘下の総合スーパー西友を約3800億円で買収すると発表した。完全子会社化を通じて売上高1兆円超の小売りグループが誕生し、業界再編が加速しそうだ。西友は、集客が見込める関東や中部、関西エリアに多くの店舗があり、出店地域の重複が少ないため、相乗効果が見込めると判断した。
7月1日付で株式を取得する予定。買収後も従業員は継続的に雇用し、店舗のブランドは維持する。西友店舗の閉鎖も現時点で想定していないという。
東京都内で開いた西友との共同記者会見で、トライアルHDの永田洋幸取締役は「お互いの強みを融合して、これまで以上の価値を提供する」と表明。「西友の質の高い人材を有効に活用したい」と今後の方針を語った。
西友株を手放す米投資ファンドは、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)。西友株はKKRが85%、米流通大手ウォルマートが15%を保有しており、トライアルHDが全株式を取得する。