三菱UFJ銀行の支店の貸金庫から顧客が預けた現金や金塊を盗んだとして、窃盗罪に問われた元行員山崎由香理被告(46)は18日、東京地裁の初公判で「全部認めさせていただきます」と起訴内容を認めた。
この日は、金塊を盗んだ罪について審理された。起訴状によると、昨年3~9月、勤務先だった練馬支店の貸金庫室に顧客2人が預けた計2億8800万円相当の金塊を盗んだとされる。
検察側は冒頭陳述で、支店長代理として貸金庫を管理する立場だった被告は、予備の鍵を使って金塊を盗み出したと指摘。質入れして換金し、自身が多額の損失を出していたFXの補填に充てたと説明した。
警視庁や捜査関係者によると、被告は昨年10月までの4年半に現金総額10億円以上、金塊7億円相当以上を盗んだとみられる。調べに「FXや競馬で多額の損失を出し、借金返済に困っていた」と供述していた。
被告は短大卒業後の1999年に一般職として入行。試験を受け総合職に転じた。昨年10月に顧客から相談があり窃盗が発覚。翌月に懲戒解雇された。