長崎市の長崎原爆資料館と隣接する市平和会館、市歴史民俗資料館は、来館者への案内や警備、駐車場管理などの維持管理業務について、9月1日から指定管理者制に移行する。指定管理者となるのは市内の警備・ビル管理会社3社で構成する「長崎平和施設管理グループ」。同グループの庄司鉄平代表(46)=司コーポレーション社長=に課題や展望を聞いた。
-指定管理者としての目標や課題は。
原爆資料館は世界に平和を発信する重要な施設。管理、運営に携われるのは大きなチャレンジになる。まずは修学旅行生や外国人旅行者をはじめ、来館する人たちがより快適に見学できる環境整備に取り組む。被爆の実相や平和を継承していくためには、入場者数を増やしていくことも大きな課題。市や平和団体の意見も取り入れながら仕掛けを考えたい。
-快適に見学するための環境整備としてどんな取り組みを考えるか。
まずは館内の案内や表示の改善。表示が汚れていたり、分かりにくかったりする場所から対応していく。被爆資料の展示に関しては市の業務で基本的に関与できないが、気付いたことは提案して連携を図りたい。
-施設面で、てこ入れを図りたいことは。
クレジットカードやキャッシュレス決済への対応、案内用のタブレット端末の設置も早期に取り組む。館内にはカフェもあるが、今はあまり目立っておらずもったいない。新たなメニューも検討して活用する。
-2018年度の原爆資料館の来館者数は約68万人だった。今後の目標は。
20年度以降は68万5千人、72万5千人、75万人、80万人と設定している。
-集客の取り組みは。
長崎市内の小中高校生は入場無料にできないか検討している。地元の子どもが来館しやすい環境を整えることは、平和の継承にも役立てるはずだ。県外からの呼び込みでは旅行会社や学校などへの営業活動を強化する。修学旅行や平和学習はもっと取り込みたい。