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長崎の、その先の風景。
地元経済のけん引役となる各界のみなさんは“長崎の、その先の風景”をどのように展望し、描いていくのでしょうか-。
企業・団体のトップに、事業の成長戦略や地域活性化への思いなど、年頭所感をうかがいました。

シュシュ

代表取締役

山口 成美

所在地 大村市弥勒寺町486

電話 (0957)55-5288

シュシュ

代表取締役

山口 成美

地域活性化へ農家の「今」に対応

 農家と地域の活性化を願い、大村市の中山間部で「おおむら夢ファーム・シュシュ」を運営しています。レストラン経営、農業・食育体験、ブライダル事業などもしていますが、一番の売りは地域の農作物を使った商品加工と、その販売です。
 サイズが小さすぎる、表面に傷が付いた、などの理由で流通に乗せられない青果を抱えて困っている農家は少なくありません。それらを利用し、ドレッシングやジュース、スイーツなどの開発をしています。市内、県内はもとより、鹿児島、大分といった九州各地からの問い合わせも増えています。
 小さな工房で小ロットでの製造ですが、逆にそれが強みです。時間をかけて市場調査を行い、売れ筋を把握した後にしか製造に移れない大手企業とは異なり、私たちは3カ月ほどの短い期間でスピーディーに少数、多品目の商品を作り、それを店頭に並べます。お客さんの反応を見て、売れ行きが良いものは増産、芳しくなければ次を作らなければいい。農家の人たちが困っているのは「今」。今に対応できなければ救えないのです。
 これらの取り組みが認められ、2023年度のふるさとづくり大賞の最高賞である「内閣総理大臣賞」をいただきました。農業という切り口で地域ごと売り込み、地域の活性化を図る活動を評価していただいたのは大変名誉で、ありがたいことです。
 近年の異常気象による農作物の不作や農業後継者の減少などで、農家からの相談が増えることが予想されます。今後も、私たちにしかできない取り組みを拡大していきたいと思っています。