今日もまた愛を施す者として

　君の名前は知られることなく、そして君自身が忘れ去られても、人に施した君の愛は、君が愛したその人によって、君以外の人に伝えられていきます。それは、必ず伝わっていくのです。君のやさしい言葉も、思いやりに満ちた親切も、そっと浮かべるほほ笑みも、波紋のように広がっていきます。君の言葉は励ましとなり、親切は安らぎを与え、ほほ笑みは潤いをもたらします。
　ボクはマヌケだし、たいした能力もないし、性格もあまりよくないなどと嘆く必要はないんだよ。君が浮かべる笑顔は君だけの笑顔なのだし、君が差し出す手には君にしかないぬくもりがあるし、不器用な言葉ではあっても、その言葉には君自身の心が込められているのだから。君は、これまでも、そしてこれからも出現することのない、唯一無二の存在なんだよ。だから胸を張って、自信と誇りを持って生きてゆきなさい。
　世の中はなかなか面白いところで、上下を比べたがる人がたくさんいます。上は鼻高々と自慢し、下はひがんで卑屈になります。それは、ボクもキミも唯一無二の存在なのだという誇りを忘れ、互いへの尊敬を失っているからです。
　もちろん君は君に与えられた能力を伸ばし発揮することができるように努力せねばなりません。しかし、それは人と比べて自慢するためなどではありません。世の人の幸せを願ってそうするのです。自分の幸せのために働く人が幸せになることなどけっしてありません。自分以外の人の幸せを願って生きる人が幸せな人生を送ることができるのです。今日もまた愛を施す者としておすごしなさい。