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長崎の、その先の風景。
地元経済のけん引役となる各界のみなさんは“長崎の、その先の風景”をどのように展望し、描いていくのでしょうか-。
企業・団体のトップに、事業の成長戦略や地域活性化への思いなど、年頭所感をうかがいました。

システック井上

代表取締役社長

井上  達

所在地 長崎市稲佐町3-3

電話 (095)861-4136

システック井上

代表取締役社長

井上  達

「価値協創」の新事業推進

 1950年、祖父が漁船エンジン販売修理の「井上商会」を創業。時代の変化に合わせて、事業領域や取引先を拡大し、今年75周年を迎えます。企業コンセプトは「ずっと先まで、とどくもの」。お客さまにとって、今も将来も必要であり続けるサービスの提供を目指してきました。半導体や航空宇宙開発といった最先端技術が結集する分野に技術を提供。医療IT、電力、ガス、上下水道などのインフラをシステムで支えています。
 事業内容は多方面に展開していますが、「計測・制御・情報」が当社の軸。これらを掛け合わせたノウハウを生かし、100年企業に向けた「基礎工事」に着手しています。2021年に4、5年先の事業を構想する「価値協創プロジェクト」を創設。目先の成果にとらわれず、メンバーの発想を会社がバックアップします。
 生成人工知能(生成AI)を利用した模擬患者アバター(分身)の研究開発は同プロジェクトから生まれた新事業。医学生の問診などの練習相手をする模擬患者役の人材不足を補うため、長崎大学病院、同大学情報データ科学部と共同で開発を進めています。看護師や薬剤師の育成に利用したいとの声もあり、医療系アバターのシリーズ化も視野に入れ、期待に応えてまいります。
 昨年は、子育て支援に積極的な企業として「くるみん」に認定。女性が生き生きと働く企業として、ながさき女性活躍推進会議から大賞も受賞し、働きやすい職場づくりに手応えを感じています。今年は、仕事のやりがいにも焦点を当て、人材の確保や育成に力を入れたいと考えています。