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TopInterview

挑戦、変革、貢献―。
社会・経済環境が激変する今、求められているものは何か。 新たな時代を切り開く県内企業・団体のトップ110人が、戦後80年を迎える2025年の抱負や事業戦略、地域への思いを語ります。

佐世保重工業

佐世保造船所長

奥田 清利

佐世保重工業奥田 清利

所在地 佐世保市立神町1

電話 (0956)25-9111

佐世保重工業

佐世保造船所長

奥田 清利

〝日本一の修繕ヤード〟目指す

 当社は1946年に佐世保海軍工廠(こうしょう)の施設を継承し、佐世保船舶工業(SSK)として設立。61年に現在の社名に変更しました。工廠時代から培った伝統と技術力を強みに、船舶の修繕と舶用機械の製造を通して、日本の国防、航海の安全並びに世界の海上物流に貢献する事業を展開しています。2022年に主力であった新造船事業を、事業環境悪化により休止。修繕船、機械の両事業部門に経営資源を集約し、安定収益体制の構築を進め、前期まで黒字を継続。当期も順調で4期連続の黒字達成の見通しです。
 修繕船事業は長年にわたって技術、ノウハウを蓄積。計5基の修繕用ドックと総延長約1200㍍の岸壁を活用し、技術、品質、安全面において〝日本一の修繕ヤード〟を目指しています。事業環境は防衛予算増加が期待されており、海自、米軍基地に隣接する地の利を生かして主力の国内艦艇に加えて、技術難度の高い大型修繕工事、米艦船・保安庁船工事の取り組みを強化中。機械事業では当社を含め国内で2社しか生産していない舶用クランク軸を主力製品としており、国から特定重要物資として指定されています。今後の新造船用エンジンの需要拡大を捉えて事業拡大・収益安定化を目指します。
 課題は生産設備の更新と人材の確保。今後も工場見学会の開催など積極的に当社の魅力を発信し、将来の成長に向けた人材の確保・育成を強化します。また安全第一をモットーに技術を継承・発展させると同時に、設備の近代化を推進し、事業基盤と収益力の強化に取り組み、これまで以上に地域社会の発展に貢献していきます。