業界の未来を見据えた変革を

　物流業界は機を見るに敏。70年前に１台のトラックから始まった運送会社が、県内随一の規模まで成長できたのは時代のニーズに対応しながら変化、進化を遂げてきたからこそ。北は東北盛岡、関東、関西に中継基地を置き、全国をつなぐ高速道路網を利用して荷物を運ぶ長距離輸送ネットワークは当社の強みでもあります。
　今、物流業界は「２０２４年問題」と呼ばれる新たなフェーズに突入。もともと長時間労働が常態化しやすい業種でしたが、労働時間の上限規制など、一般企業並みのコンプライアンスが求められるようになりました。ドライバーの運転時間に上限があることで最悪の場合、物が届けられないケースも想定されます。しかし、ピンチこそチャンス。これまで他業種に比べて合理化が遅れていた物流業界を近代化する最後のチャンスと捉えています。アナログが主流な仕事ですが、作業マニュアル作成やＤＸ推進に加え社員教育といった課題に取り組んでまいります。
　今年は特に、グループのアイデンティティーである整備力を強化したいと考えています。整備力の強化は輸送品質の維持・向上に直結します。車両を美しく長く使うノウハウ、７５０台のグループ車両をロスなく動かすノウハウをさらに磨き、外部に販売していくことも視野に入れています。
　私は10年間の金融機関勤務を経て、２年前に代表取締役に就任しました。経営に携わり、改めて感じるのは「１円の重み」。効率化などによって産出されるお金を売り上げや賃金に反映させ、当社に関わる全ての人にも幸せを運べるような企業を目指していきます。