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長崎の、その先の風景。
地元経済のけん引役となる各界のみなさんは“長崎の、その先の風景”をどのように展望し、描いていくのでしょうか-。
企業・団体のトップに、事業の成長戦略や地域活性化への思いなど、年頭所感をうかがいました。

長崎県公立大学法人

理事長

坂口 克彦

所在地 佐世保市川下町123-1

電話 (0956)47-2191

長崎県公立大学法人

理事長

坂口 克彦

探求型の人材育てる大学に

 民間初の理事長として昨年5月に就任しました。民間の経営スタイルを大学経営にどの程度生かすことができるのか、今年はその試金石の年になると思っています。
 就任後、大勢の教職員と面談し、学生の声に耳を傾けてきました。そこで感じたのは県立大はもっと探求型の人材を育てる大学にならないといけないということ。学生にとって、基本的な知識を学び吸収することはもちろん必要です。しかし、知識偏重になってはいけません。大切なことは自分の頭で考え、判断できる人材を育てることだと思っています。
 県立大には探求型の人材を育てる素地は十分にあります。県内の離島に滞在し、チームで地域課題の解決を目指す「しまなび」プログラムや海外ビジネス研修など、座学だけでは身に付かない力を育む科目が多数あります。
 私は民間経営者時代は常に「納得できない仕事はしなくていい」と言ってきました。大学の勉強も同じだと思います。教職員は学生の「なぜこれをやるんですか?」との問いに答えられないと駄目だと思っています。「納得」を重視し、主体性や協調性が高まるアクティブなカリキュラムをさらに磨いて「強み」にしていきます。
 私は民間経験の中で顧客と働く人たちがどうしたら幸せになれるのかをずっと考えてきました。法人での役割も「顧客の満足度」を追求することだと思っています。大学にとっての顧客は学生であり、就職先。理事長にとっては教職員がそれに当たります。民間の「異物」が入ることで、どのようなプラス効果を生み出せるのか。楽しみにしていただきたいと思います。