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TopInterview

挑戦、変革、貢献―。
社会・経済環境が激変する今、求められているものは何か。 新たな時代を切り開く県内企業・団体のトップ110人が、戦後80年を迎える2025年の抱負や事業戦略、地域への思いを語ります。

大島酒造

代表取締役社長

長岡 祐一

大島酒造長岡 祐一

所在地 西海市大島町830

電話 (0959)34-5678

大島酒造

代表取締役社長

長岡 祐一

長崎の焼酎の良さ伝えたい

 県内の蔵元は一生懸命、良い酒を造っています。全国の鑑評会でも上位入賞していますが、全国的な認知度はまだまだです。人口減少や高齢化から、焼酎業界は全国的に厳しい状況に直面しています。若者の価値観が多様化、細分化し、ターゲットの絞り込みが非常に難しくなっています。
 そのような中、当社はコロナ禍を経て回復し、着実に成長。コロナ禍で将来への不安から、従業員の目線が下がった際、1年以上かけて一人一人と向き合い、何を大切にしたいか耳を傾けました。
 「信用を大切にしたい」「誠実でいたい」「礼儀をわきまえたい」「成長したい」―。2021年春、皆の思いを凝縮した行動指針をまとめました。好調の背景には、指針に沿った従業員の働きがあります。
 25年も真摯に酒造りに取り組み、新製品を出したいです。ターゲットや販売ルートを絞り込み、新しい価値を付加。世の中に「長崎の芋焼酎の良さ」を伝え、喜びや幸せを感じてもらいたいです。
 新製品は、従業員の成長と誇りや自信を持つことにもつながります。酒造りは人にしかできないところがあります。原料の芋も発酵させる微生物も年々異なります。最後の最後は、こうじや酒母、発酵、蒸留をどうしようかと、苦労した人間の感性が造り上げるものです。
 また、お酒を知らない若い人が増えています。焼酎を含む和酒は、好みの温度にしたり水などで割ったりすることで味わいが深まります。酒器を選ぶこともでき、春は桜、秋は紅葉の下で飲めば情緒があります。若い人にこれらの楽しみ方も伝承したいと思っています。