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長崎の、その先の風景。
地元経済のけん引役となる各界のみなさんは“長崎の、その先の風景”をどのように展望し、描いていくのでしょうか-。
企業・団体のトップに、事業の成長戦略や地域活性化への思いなど、年頭所感をうかがいました。

松田久花園

代表取締役社長

松田 英明

所在地 長崎市畝刈町1613-251

電話 (095)850-0714

松田久花園

代表取締役社長

松田 英明

地域の景観と安全守る造園業

 造園業の魅力は、仕事が形に残ること。何げなく目にする街路樹は、せん定することで景観が保たれ、定期的な点検は倒木を防ぎ、地域の安全を守ります。四季折々の草花は人々を癒やし、憩いの場として親しまれている公園は、災害時に避難所として活用されます。
 祖父から事業継承した父が1969年、西海市で創業。2002年に父の後を継ぎました。樹木医や1級造園施工管理技士、1級造園技能士、植栽基盤診断士など、専門知識を持った職人が活躍し、従業員数は43人と業界ではトップクラス。資格取得のための授業料を会社が負担し、資格手当を設けるなど人材教育に力を入れています。これまで「建設マスター」(優秀施工者国土交通大臣顕彰・被顕彰者)を3人輩出しました。
 資材や人件費の高騰、若年層の建設業離れなど、業界は年々厳しさを増しています。かじ取りは慎重にしつつも時代の変化には敏感に、顧客の新規開拓に努めます。現在、長崎市の長崎公園をはじめ、異業種との共同事業体で長崎水辺の森公園、あぐりの丘の指定管理を受け持っています。植物管理のプロとして長年培ってきた技術力を強みに、今後もプロポーザル(提案型)による公共施設の指定管理業の受注拡大に取り組みます。
 24年春、県造園建設協会会長や日本造園建設業協会県支部長を務めるなど造園工事業の発展に尽力したとして、黄綬褒章を受章しました。個人ではなく業界全体でいただいたもの。同じく00年に受章した亡き父との親子受章に、感謝の気持ちでいっぱいです。今後も観光都市長崎の景観づくりに、業界全体で貢献していきます。