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長崎の、その先の風景。
地元経済のけん引役となる各界のみなさんは“長崎の、その先の風景”をどのように展望し、描いていくのでしょうか-。
企業・団体のトップに、事業の成長戦略や地域活性化への思いなど、年頭所感をうかがいました。

平木工業

代表取締役

髙濵 有志

所在地 長崎市三京町2842-1

電話 (095)850-5000

平木工業

代表取締役

髙濵 有志

豊かな実績 循環経済も促進

 当社は50年以上にわたり、鉄筋に圧力を加えて接合する「圧接工事」で高品質なサービスを提供してきました。これまでに県庁舎、県警庁舎、長崎みなとメディカルセンター、長崎スタジアムシティなど県内の大型構造物の圧接工事に携わり、2025年以降も、諫早市の南諫早産業団地や長崎市のごみ焼却施設の構造物などで圧接工事を担います。
 24年秋には、圧接部で4人目の優秀施工者国土交通大臣顕彰を受賞。最高ランクの技術の維持と若い世代への継承は重要であり、工事がないときは社内の工場で職人が圧接の練習に励んでいます。
 産廃部は資源の循環的な利用を図り、廃棄物発生を最小限に抑える「サーキュラーエコノミー」(循環経済)を政府が推進する中、産業廃棄物処理業にも力を注いでいます。リサイクル施設の広さは東京ドーム5個分に相当。回収されたペットボトルから新たなペットボトルを再生したり繊維を作ったりするほか、ガラス瓶を土木工事に利用できる砂に変えています。さらに、野菜くずなどの食品残渣から液体飼料を作って養豚農場に提供し、フードロス削減につなげています。このような液体飼料化は全国的にも希少な手法です。
 私は中小企業の事業承継を支援する「経営支援センター」(長崎市)の代表を務め、23年5月に義父から引き継ぐ形で当社の代表取締役に就任しました。構造物が完成すると見えない圧接工事や産業廃棄物処理業はスポットライトが当たりにくい仕事ですが、人が生活する上で重要なインフラを支える仕事です。その魅力のアピールにも力を入れたいと思います。