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長崎の、その先の風景。
地元経済のけん引役となる各界のみなさんは“長崎の、その先の風景”をどのように展望し、描いていくのでしょうか-。
企業・団体のトップに、事業の成長戦略や地域活性化への思いなど、年頭所感をうかがいました。

牛右衛門

代表取締役社長

中村 大介

所在地 佐世保市大塔町1851

電話 (0956)33-5105

牛右衛門

代表取締役社長

中村 大介

 人を育てブランド力伸ばす

 1976年に父、春光が庄屋産業という商事会社を設立し、79年に牛右衛門大塔店をオープンして現社名に変更。昨年9月には松浦市志佐町に新店舗を開業。地元グルメのアジフライ定食など、長崎らしいメニューを中心に据え、さらに「1杯からでも楽しめる」ようグルメコーヒーを置いています。現在は酛蔵庄屋やブルズキッチンなど和・洋計16店舗を展開しています。
 今年の抱負は自己研鑽と社員研修の充実による人材育成です。店舗によって離職率や採用率、定着率が異なり、雇用する側がきちんと働き手の要望を聞き取れていないケースもあります。「人が辞めない飲食店」を目指し、責任者会議を通して育てる側の意識をアップデートしています。
 2023年の国内飲食業倒産件数は893件と、20年の842件を上回り過去最多を記録しました。当社はコロナ禍後を見据えて、配膳ロボットや自動釣り銭機などを導入し、業務効率化に努めてきました。ただ、注文に使うタブレット端末は高齢のお客さまには向かないと判断し、導入していません。人件費を削減するための効率化は間違っており、サービスの質の低下につながる改革はせずに、お客さまが何を求めているのか把握してサービスを充実させていきます。
 昨年5月には北松佐々町市場免の「梅鶏苑庄屋佐々店」から出火し、焼失しました。験を担いで屋号を「酛蔵庄屋佐々店」と改めて今年4月にオープンを予定しています。二度と火災を起こさないよう厳しく対策し、新旧店舗全体で昔からおいしい食事を提供してきた当社の強みである人材育成やブランド力を引き続き伸ばします。